2018
02/06

譜読みの難しさ

譜読みを苦手と感じる人は多いです。

その理由は様々あると思います。

たとえば耳がいい場合…ピアノに向かう時も聴覚が優位に働く事が多いと思います。ですから視覚からの情報が後回しになり、楽譜の情報は取り入れにくいんだと思います。

とは言っても楽譜は読めないと弾けないので、レッスンでは一緒に読んだり、帰宅してからも初めての曲は読むのだと思いますが、早い段階で耳の記憶を頼りに、指が記憶するまで弾いてしまうと、そこから先は楽譜を見る機会がなくなってしまいます。

譜読みの慣れは経験値がものを言うので、楽譜、音符を見る機会が少ないと、音そのものはわかっているのに、読むスピードがつきません。時間がかかるのです。(例えば、50音はわかるけど、すらすら読むのには時間がかかると言うような状況だと思われます)

また、このような「記憶して弾く練習法」は、いつも手を見て弾く事になるので、手指の鍵盤に対する感覚的なもの(指で探る感覚、例えばミの次にファを弾きたい時にファはミの右隣、ソはひとつ飛ばし、という理解のもと、目ではなく指で探す感覚の事です。これは子供達がゲームのリモコンを、手元を見ずに華麗に操るのと同じです)を得られず、手を見ていないと不安になる、ゆえに楽譜を見れない、という事にもなります。

このような場合、私がレッスンで取り組んでいる事は、ピアノの蓋をギリギリまで閉じてしまい、手を見えない状況にしてしまいます。

そうすると必然的に楽譜をみるか、違うところを見ていたとしても、鍵盤はみないので指の感覚は研ぎ澄まされます。

いわゆる「ブラインド タッチ」です。

これは家の練習でもできます。蓋を持ってあげる人が必要なのですが、子供は割とゲーム感覚でやってくれます。大人なら、根気で鍵盤を見ない事です。

それから、また違った角度から考えますと、楽譜を見た時の音の並び方への反射についてです。
楽譜は音の高さによって並びが決まっているのですが、年齢が低いほどこれを見て混乱してしまう時があります。
上がる音(ドレミファなど)は比較的読めるのですが、ファミレドなどの逆の動きの場合に迷いや間違いが生じます。

個人差はありますが、譜読みの習慣を身につけていく事は、なかなか難しいのです。

楽な方に流れていくのは人間の性ですね笑

しかし、たとえ譜読みが苦手だとしても、楽しくピアノを弾いてほしい、ピアノが好きでいて欲しい、
大人になったときに弾きたい曲が弾けると言うところまでは持っていってあげたいと思っています。

ですから、最低限の譜読みの仕方は伝え続けていかなくてはなりません。ただ、それにこだわり過ぎてピアノや音楽嫌いにしてしまっては元も子もありません。

楽しんで弾いてもらえるような工夫を私もしていかなければならないと日々考察中です。